若草山焼き

奈良市街地からも観望できる大規模な若草山の山焼き

若草山三重目の頂上には、鶯塚古墳という前方後円の巨大なお墓があり、このお墓から幽霊が出て人々を恐がらせますが、山を焼くと幽霊が出なくなるらしい、などの迷信が長く続きました。それでこの山を通る人が勝手に火をつけるようになり東大寺境内に火が迫る事件が再三起こり、江戸中期に、奈良奉行所は若草山に放火禁止の立て札を立てました。しかし、その後も放火は続き、近隣の寺や神社へ火が燃え広がるなど危険が絶えなかったため、江戸時代末期頃には若草山に隣接する東大寺・興福寺と奈良奉行所が立ち会って山を焼くようになりました。このように山焼きの起こりは、山上古墳の鶯塚に葬る霊魂を鎮めるための祭礼となりました。

若草山；奈良を代表する景観の一つとして、山頂から見る奈良の夜景は、新日本三大夜景のひとつとなっています。