最終更新
西日本最大の経済の中心地であり、国際空港も有する大阪。そんな大阪で思い浮かべるのは、近代的なビルが立ち並ぶ大都市の姿かもしれません。でも、ほんの少し目線を変えてみると、歴史と伝統文化が今も息づく“もうひとつの大阪”に出会えます。昔ながらの風情が残る街道歩きや、伝統芸能の舞台で味わう贅沢ランチ、世界に一つのはにわ作りまで。この記事では、ディープな大阪を体感できる体験を5つ紹介し、大阪の奥深い魅力へご案内します。
東海道枚方宿は、京都と大阪を結ぶ「京街道」(東海道)の宿場町です。かつて、人々が旅をする時、東京の「品川宿」から数えて、56番目の宿場町としてにぎわいました。
この体験では、着物に着替えて、歴史情緒あふれる東海道「枚方宿」を散策します。当時の面影をしのばせる旧街道の街並みや意賀美(おかみ)神社、市立枚方宿鍵屋資料館など、フォトスポットを巡りながら歴史と風情を満喫できます。
この体験で立ち寄る「市立枚方宿鍵屋資料館」は、かつて船待ちの宿として、その後料亭旅館としてにぎわった歴史ある建物で、見学もできます。昔ながらの歴史ある街並みや、文化財を背景に、自由に写真を撮って思い出を残しましょう。
体験で着用する着物は、3分ほどで簡単に着ることができるタイプです。この着物体験では、事前にサイズを確認されるため、海外の方でも安心してご参加いただけます。大阪市内からもアクセスがよく、手軽に日本の伝統や歴史を体験できておすすめです。英語対応が必要な方は事前に知らせておくことで対応が可能です。
鍵屋資料館の向かいには、枚方で話題のタルト専門店「TARYUTO 本店」があり、体験中にこちらも立ち寄ります。発酵バターを100%使用した贅沢なタルトをぜひ味わってみてくださいね。
14世紀に成立した能は、600年以上の歴史を持つ日本の代表的な古典歌舞劇です。その特徴は、美しい面と装束を使い、専用の能舞台で演じられます。人間の哀しみや怒り、懐旧、恋幕などの感情を描くのが特徴です。
まるで日常を忘れるような特別なひとときを過ごせる、贅沢なランチタイムはいかがですか?店内に一歩足を踏み入れると、目の前に広がるのは本格的な能舞台。開放感あふれる空間で、日本文化の趣を感じながらお食事を楽しめます。
そんな非日常の雰囲気の中でいただくランチは、まさに格別。さらに、ドリンクとデザートが付いた嬉しいセットも用意されています(写真はイメージです。提供メニューは時期によって異なります)。英語メニューもあるので海外からの旅行者も安心です。心もお腹も満たされる贅沢な時間を、ぜひご体感ください。
古墳は、3世紀後半から7世紀ごろにかけて、多くの王や身分の高い人のために造られたお墓のこと。埴輪(はにわ)は、その古墳の上に置いたり並べられた粘土で作られた素焼きの像で、諸説ありますが、死者の魂を守ったり、古墳に埋められた人の権力を示したりするためのものと考えられています。
世界遺産である百舌鳥・古市(もず ふるいち)古墳群の地で、世界に一つだけの“マイ埴輪”作りを体験してみませんか? 粘土遊び感覚で小さな子どもも楽しめる内容で、大人にも人気です。作品は、制作後に乾燥・焼成の工程を経て90分後に完成するため、当日に持ち帰ることができます。体験内容は英語での説明も可能なので、日本語がわからない人は予約時に「英語対応希望」と伝えましょう。また、希望すれば、古墳にちなんだ「はにわ弁当」も味わうことができます。
体験の舞台は、約1500年前の古墳時代に多くの埴輪が作られていた「河内誉田(かわちこんだ)」エリアにある「河内こんだハニワの里・大蔵屋」。応神天皇陵古墳や墓山古墳など、歴史ある古墳が点在する場所で、古代ロマンを感じながら、埴輪や古墳の魅力に触れるひとときをお楽しみください。
©Osaka Convention & Tourism Bureau
岸和田だんじり祭は、日本で最も迫力のある伝統的なお祭りの一つで、300年以上の歴史を誇ります。18世紀の江戸時代中期、岸和田藩の藩主が五穀豊穣(豊かな作物の実り)を願って始めたことがきっかけです。この祭りは、岸和田で生まれ育った人々によって代々受け継がれ、大切に守られてきました。
写真提供:岸和田市
昼間は、彫刻が施された豪華な「だんじり(地車)」を男たちが力強く曳き回します。全速力で駆け抜ける姿は圧巻で、スピードと迫力に思わず息をのみます。一方、夜になると、だんじりにはたくさんの提灯が灯され、幻想的で美しい姿に変わります。昼の激しさとは対照的に、静かな感動を味わえる時間です。この祭りは、岸和田城の歴史ある城下町を舞台に行われ、町並みの風情も楽しむことができます。
©Osaka Convention & Tourism Bureau
岸和田だんじり会館は、1993年にオープンした「岸和田だんじり祭」を紹介する博物館です。館内には、現存する中で最も古い「岸和田型だんじり(地車)」や、伝統的な木の彫刻、町ごとにデザインが異なる法被(祭りで着る衣装)などが展示されています。館内の説明文は英語表記もされています。
岸和田城をバックにだんじりの前で写真が撮れるスポットや、迫力満点の音響と映像を楽しめるシアターがあり、だんじりの屋根の上に乗って進行の指揮をとる「大工方(だいくがた)」体験や、太鼓などの鳴り物体験もできます。
井坂酒造場は、1818年に創業した、とても歴史のある酒蔵です。現在も大量生産をせず、昔ながらの手作りにこだわり、一つひとつ丁寧に品質のよい日本酒を造っています。
代表的なお酒は「三輪福(みわふく)」というブランドで、奈良県にあるお酒の神様をまつる「三輪神社」から名前を使うことを許された特別な日本酒です。このお酒は、全国の新酒品評会で金賞を受賞したこともあります。
そのほかにも、岸和田だんじり祭にちなんだ「だんじり」、地元産の米で造った「葛葉井の淵(くずはいのふち)」など、ユニークで個性豊かなお酒がそろっています。
井坂酒造場や、岸和田市の周辺にある酒屋などで購入できます。英語対応はしていませんが、歴史を感じる建物を目で見て、良質な日本酒をお土産として持ち帰るだけでも充分に行く価値があります。日本の伝統と味を感じられる、こだわりの日本酒をぜひ楽しんでみてください。
もっと知ってほしいローカルな大阪体験を厳選してご紹介しました。文化、グルメ、アクティビティなど、大阪の魅力を深く味わえる体験を通して、忘れられない素敵な思い出をたくさん作ってくださいね。