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南北に細長い京都府。日本海に面した北部には、美しい海岸線と穏やかな漁村の風景が広がり、緑豊かな中央部には昔ながらの里山文化が今なお息づいています。そして南部には千年の歴史を誇る古都・京都と雄大な茶畑が広がり、訪れる人々を魅了します。本記事では、そんな京都府の自然と文化を体感できる、知られざる体験を5つご紹介!舟屋の町のガイドツアーや、伝統織物の工房見学、金継ぎ体験など、京都の暮らしに根付く知恵と美意識に触れる体験に加えて、桜の名所で楽しむSUP体験も。英語ガイド付きなのでより深く京都を楽しめること間違いなしです。
京都府北部・丹後半島に位置する伊根町は、海と山に囲まれた美しい町です。最大の魅力は、伊根湾を取り囲むように立ち並ぶ「舟屋」の独特な景観。1階が船のガレージ、2階が居住空間となったユニークな建物で、海に面して建てられています。
昔ながらの漁村の雰囲気を色濃く残すこの街並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。まるで海上に浮かぶように約230軒の舟屋が立ち並ぶ光景はここでしか見ることができない絶景です。
伊根町では、ゆっくりと散策しながら舟屋を間近で楽しんだり、展望台から伊根湾の風景と共に舟屋を眺めたりと、多彩な過ごし方ができますが、その魅力を思う存分味わいたいなら、e-Bikeでめぐる「伊根舟屋 の暮らしガイドツアー」がおすすめです。地元ガイドが案内するこのサイクリングツアーでは、舟屋や町にまつわる興味深い話を聞きながら、電動アシスト付き自転車で町を巡ります。個人では見落としてしまうような隠れたスポットにも立ち寄れるので伊根の歴史や文化をより深く感じることができます。e-Bikeなら、起伏の多い伊根の道も快適に走ることができますよ。
ガイドツアー終了後は、自分のペースで伊根の町を自由に散策するのもおすすめ。ノスタルジックな路地を歩いたり、居心地のいいカフェやレストランで一息ついたり、観光遊覧船から舟屋の絶景を眺めたりと、思い思いの過ごし方で伊根での旅の思い出を彩ってみましょう。
※伊根の舟屋は個人の所有物です。許可なく無断で入ることはできません。
※舟屋や母屋では住人が生活しています。写真・動画撮影の際は迷惑にならないよう、十分に配慮してください。
京都府北部に位置する丹後地方は、国内最大の絹織物の産地として知られ、その起源は約1300年前まで遡ります。丹後織物は、この地で約300年にわたって受け継がれてきた伝統的な絹織物のこと。その代表とされるのが「丹後ちりめん」で、その最大の特徴は生地表面にできる「シボ」と呼ばれる細かい凹凸と、美しい光沢、シワになりにくく柔らかな手触りです。
丹後織物産地「工房めぐり」は、通常観光客が訪れることができない絹織物の制作現場を訪れる特別なツアーです。織物に精通した「はたやコンシェルジュ」のエスコートを受けながら、実際の製作現場を見学します。直接職人から話を聞き、卓越した技術を目の当たりにすることで、連綿と受け継がれてきた伝統の奥深さに触れることができますよ。英語対応希望の場合は、予約時に伝えておきましょう。
市場に出回っていない商品を産地ならではの価格で購入できるのも嬉しいポイント。オリジナル品のオーダーも可能なので、お気に入りの工房を見つけたらぜひ相談してみてくださいね!
京都市から電車や車で約20分という好立地にある亀岡市は、豊かな自然に恵まれた、のどかな風景に出会える場所です。四季折々に変化する美しい風景、自然の中に溶け込むように静かに佇む神社仏閣の風情ある景色を堪能することができ、この地ならではの京野菜や亀岡牛といったグルメが楽しめるのも魅力です。
さらに、美しい保津峡谷の四季を満喫できる「嵯峨野トロッコ列車」や「保津川下り」など、世界中の旅行者から人気のアクティビティも満喫できます。
そんな自然溢れる亀岡市でぜひ体験してほしいのが「urujyu」の「金継ぎ」です。金継ぎとは、器の割れや欠けを漆でつなぎ、金粉や銀粉で美しく仕上げる、日本独自の修繕技法。それは、大切な器が壊れた時、もう少しこの世界に留めていきたいという祈りを叶えてくれる、先人から受け継がれてきた大切な知恵。
日本で漆が使われ始めたのは縄文時代。漆は暮らしの中で接着剤や塗料として活用され、人々の生活に寄り添ってきました。木から採取され、ものに姿を変え、やがて役割を終えれば自然に還る──このシンプルでナチュラルな循環を大切にしているのが「urujyu」です。金継ぎは、自然に還る素材を用い、器と人、そして自然がつながる時間でもあります。
「urujyu」は、2015年「漆のある暮らし」・「漆の技術」・「国産の漆」という3つの漆文化を伝えるために誕生したブランドです。京都の美山という地域にアトリエを構えていますが、亀岡の保津川ほとりにある「保津浜TERRACE」でも金継ぎ体験を実施しています。のどかな風景の中で行う金継ぎは、心を静かに整える“繕いの時間”。日常から少し離れ、自然の循環の中に身を置くような安心感を味わってみませんか。
京都府の中央北部に位置する綾部市は、豊かな里山の自然や昔ながらの田園風景が広がる美しい地域です。
そんな綾部市の森の中、小高い丘にひっそりと佇む「創癒庵(そうゆあん)」は、築150年を超える古民家です。ここでは四季折々の食材を使った薬膳料理や茶道体験、里山散策など様々な体験を通して日本の自然と伝統文化に触れる贅沢なひと時を過ごすことができます。
創癒庵では、薬膳料理を取り入れた、健康になるための「ヘルスツーリズム」を体験できます。薬膳とは、食材が持つ効能を活かし、季節や体調に合わせて献立を組み立てる食事法で、中国の伝統医学である中医学の考えかたに基づいています。
このプログラムでは、体調チェックと簡単な薬膳講座を受けたのち、それぞれの体調に合わせたお味噌汁を調合し、季節の地元の食材を使った薬膳料理をいただきます。その後はオプションで茶道体験やヨガを楽しんだり、里山散策に出かけたり、思い思いの時を過ごす事ができます。薬膳講座のスライドや資料は英語版があり、スタッフは簡単な日常の英会話も可能です。
自然の中で自分の心と体と向き合えば、日々の疲れが癒やされ、明日への活力が湧いてくるのを実感できますよ。
京都府の南部に位置する八幡(やわた)市にある「背割堤(せわりてい/淀川河川公園背割堤地区)」は、京都府内を流れる木津川と宇治川を隔てる堤防です。春には1.4kmにわたり約250本の桜が咲き誇る、関西随一の桜の名所として知られています。
豊かな自然に恵まれた背割堤は、四季折々の自然や野鳥観察も楽しめる憩いの場です。
そんな背割堤では、SUP体験で一味違った大自然の楽しみ方ができます。水上から眺める背割堤の景色は地上から眺めるのとは全く違う特別な体験。四季折々の自然や希少な動植物に囲まれ、まるでジャングルのような景観を満喫できるのが魅力です。水鳥の囀りや頬を撫でる風、ゆったりとした川の流れなどを感じるひと時は、まさに五感を解放する冒険そのもの!
京阪「石清水八幡宮」駅から徒歩5分というアクセスの良さも魅力です。
ガイドブックには載っていない本当の京都を味わえる体験の数々をご紹介しました。現地の人と触れ合いながら、忘れられない京都の思い出を作ってみませんか。