古都・京都にこんなところがあったの? 最先端技術×歴史で、知性が刺激されるひと時を。

古都・京都にこんなところがあったの? 最先端技術×歴史で、知性が刺激されるひと時を。

2020年02月25日

京都と奈良といえば日本を代表する古都ですが、その一方で最先端技術を研究する「知」の集積エリアがあることをご存知ですか? 京都と奈良、大阪の3府県にまたがる「けいはんな学研都市」エリアです。中でも京都は、アニメでおなじみの一休さんゆかりの寺をはじめ、歴史ある寺社が周辺に多く点在し、最先端技術と歴史を一度に楽しむことができます。

そもそも「けいはんな学研都市」とは

京都と奈良と大阪の3府県が接する約15000haのエリアに、140を超える研究機関や企業が集まり、9000人余りの研究者や職員が働くサイエンスシティです。実際の行政区分の「市」ではありませんが、JRには「学研都市線」という路線があるほど、関西では「知」の拠点として広く知られています。最先端の研究をしているだけに非公開が多いのですが、中には一般公開している施設もあり、その技術の一端に触れることができます。

予約なしでも行ける「これぞ学研都市!」なスポットを2つ! 子どもから大人まで楽しく学べる「光」の科学と高度情報化社会を支える日本の情報拠点。

 まずは、量子科学技術研究開発機構による、「光」を体験学習できる科学館へ。光研究の歴史からレーザーなどの技術や、現在研究中の量子ビームまで、光のあれこれを体験しながら楽しく学べます。子ども向けの施設?と思っているあなた。易しく紹介されているだけで、その内容は実は高度! 大人も十分に見ごたえがあります。

国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 関西光科学研究所に隣接。すぐ近くで最新研究が行われています!
きっづ光科学館ふぉとん http://www.kansai.qst.go.jp/kids-photon/index.html

光について学んだら、次は「国立国会図書館 関西館」へ。国内で刊行される資料のほとんどを東京本館と共に所蔵する、いわば日本の巨大本棚です。関西館だけでも約1,400万点の資料を所蔵し、360席ある閲覧室には12万冊余の資料がびっしりと! その規模は圧巻の迫力です。さらに自由に閲覧できるので、本好きならたまりません。関西館ではアジアの図書、雑誌、新聞も多く揃えており、いろんな国の文化が垣間見られるのも興味深いです。※満18歳以上の方であれば、どなたでも入館・利用できます。
国立国会図書館 関西館  https://www.ndl.go.jp/index.html
国立国会図書館 関西館動画 https://www.youtube.com/watch?v=FR-owglFx4g

最新の情報や研究を学んだ後は、少し足を延ばして歴史散策へ。

関西の「知」の拠点として認知されているけいはんな学研都市ですが、その歴史に目を転じれば、現在に通じるような「知識・知恵」や「学び」を大切にしてきた歴史に行きつきます。最新の情報や研究を学んだ後は、そんな歴史に触れてみませんか。まずは、中世の石造文化の里へ。
研究機関が集中する市街地の東側は、「文化財の宝庫」と呼ばれるエリアです。その中でも「当尾地域」は、その昔、世俗化していた仏教を厭った僧侶達が移り住み、純粋に仏教を追求したことで知られています。彼らは数多くの石仏を造り、今も浄瑠璃寺と岩船寺の間を中心に多くの石仏を見ることができます。両寺を結ぶ散策道「石仏の道」は、じっくり歩いて約1時間の道のり。道中には、繊細で芸術性の高い様々な表情の石仏が見つかります。千年の歴史が感じられる浄瑠璃寺や岩船寺、そして石仏を探しながら、のどかな山村風景の中を散策してはいかがでしょう。

柔和な表情から通称「わらい仏」と親しまれているこの石仏は、岩船寺の近くに佇んでいます。
木津川市観光ガイド http://0774.or.jp/spot/sekibutu/

一方、けいはんなエリアの南端あたりには、一休禅師(一休さん)がその晩年を過ごした「酬恩庵一休寺」があります。元は高僧・大応国師が創建したお寺を一休禅師が再興しました。境内の南寄りにある虎丘庵は禅師が生活を送った場所で、禅師を慕って侘茶の祖である村田珠光や能の金春禅竹など室町時代を代表する文化人が訪れ、現代の日本文化の礎を築きました。境内には楓が多く春は新緑、秋には紅葉の名所として知られています。方丈庭園は江戸時代に作庭された枯山水庭園です。

酬恩庵一休寺 http://www.ikkyuji.org/

宇治茶が生まれ育った地で、お茶の歴史にも思いを馳せてみる。

けいはんな学研都市周辺はサイエンスシティであると同時に、日本茶(宇治茶)の名産地でもあります。宇治市には中国から喫茶文化を持ち込んだ隠元禅師が開いた萬福寺があり、宇治田原町には茶葉の新芽を蒸してから手もみで乾燥させる日本の「煎茶」を生みだした永谷宗円の生家があります。さらに南山城村や和束町をはじめ周辺各地では、美しい茶畑も見ることができます。ただ、、、いずれも少し遠い。そんな時におすすめが、学研都市の中核エリアにある「CHA遊学パーク」です。
日本茶の老舗「福寿園」が開いた「CHA遊学パーク」は、お茶を広く紹介する施設です。世界の品種もそろえた茶畑が広がり、お茶に関する様々な展示や体験で、お茶をより深く親しむことができます。体験付きの見学コースが数種類あり全て電話にて要予約(TEL:0774-73-1200)。※見学のみは受付ていません。

福寿園 CHA遊学パーク http://www.fukujuen.com/company/cha.html

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