「禅」の聖地で「坐禅」を体験の後、古い城下町へ。 日本の心に触れる一日。

「禅」の聖地で「坐禅」を体験の後、古い城下町へ。 日本の心に触れる一日。

2020.3.27

禅の実践は世界的に人気が広がりつつありますが、日本へは13世紀に伝えられたといわれています。関西ではいろんなお寺で坐禅体験ができ、中でも是非行ってほしいのが永平寺です。何しろ、坐禅で修行する曹洞宗の最高峰の寺(大本山)であり、いわば「禅」の聖地。常時百数十名の僧侶が修行を積んでいる、本場中の本場での坐禅は特別な体験です。

永平寺 https://daihonzan-eiheiji.com/

1244年に道元禅師によって創建された永平寺。杉木立に包まれ、街の喧噪とは無縁の世界。

賓客を迎えるための唐門(進入禁止で石段下から撮影)。

まずは参拝、美しい境内の見学から。

東京から飛行機で小松空港または北陸新幹線で金沢まで来たら、永平寺までは車や電車で約1~2時間。深い木立に囲まれた山裾に、約33万㎡という境内が広がっています。足を踏み入れると門前町の賑わいから一変、神聖な空気に。
まずは「吉祥閣」で拝観受付する際に、坐禅を予約(4人以上は事前に要問合せ)。時間になるまで境内を自由に参拝・見学しましょう。永平寺の歴史が学べる「吉祥閣」、その隣は天井が230枚もの絵で埋め尽くされた「傘松閣」。「瑠璃聖宝閣」には永平寺に伝わる宝物や古文書が展示されています。修行の多くが行われる、7つの建物が回廊で結ばれた「七堂伽藍」も一部を除き参拝できます。ただ、大切な修行の場なのでくれぐれもお静かに! 中には修行僧にとって私語厳禁な建物(見学不可)もあるような、厳粛な場所なのです。

「傘松閣」の天井絵。鯉、唐獅子、リスの絵(計5枚)を見つけたら願いが叶うという噂も。

心の平安を求め、いよいよ坐禅へ。

予約の時間になったら坐禅の部屋へと案内され、これ以降は私語厳禁となります。お坊さんから座り方や姿勢など説明の後、いよいよ坐禅へ(坐禅用のクッションがあるので、胡坐座が組めなくても問題ありません)。曹洞宗の坐禅は壁に向かうのが基本です。身体(姿勢)を整えると、息が整い、心も整ってきます。それでも「背筋を伸ばすの疲れたな」「今日のこれからのスケジュールをどうしよう」など、雑念がよぎります。心が落ち着かないときや眠い時は、「警策」という平たい棒で肩を「パン」と打ってもらいましょう。「警策」は坐禅特有のもので、一瞬にして気が引き締まり雑念が払われます。
実際に坐禅をしている時間は15分程度。坐禅が終わった後は心なしか心が落ち着きました。何より永平寺そのものが、木々に囲まれて空気は澄みきり、緑と堂宇が織りなす光景は美しく、時折垣間見る修行僧は凛として、俗世と切り離された別天地。境内にいるだけで何度も深呼吸したくなる気持ちの良さで、この空気感を味わうだけでもリフレッシュできそうです。永平寺には宿泊施設もあるので、一泊して精進料理をいただき、朝のお勤めに参加するのもおすすめです。(永平寺の写真はすべて、大本山永平寺提供)

境内には大小70もの堂宇が立ち並んでいます。

永平寺から車で30分程度で風情ある城下町へ。

永平寺まで来たのなら、さらに足を延ばして越前大野へぜひ。今から約440年前に築かれた越前大野城を中心に栄えた城下町で、城を中心に古い街並みが残っています。特に七間通りは石畳に歴史を感じさせる家々やお店が立ち並び、そぞろ歩きにぴったりです。さらに、公開されている武家屋敷を見学したり、16ものお寺が軒を連ねる寺町通りを歩くのも楽しく、古い街並み越しに高台の越前大野城が見えたときは、まるで中世に迷いこんだようです。

現在の越前大野城は約50年前に再建されたもので、中は歴代城主の品などが展示されています。

七間通りでは春から12月31日まで朝市が開かれ、地元のお母さん達が野菜や果物を売っています。約400年の歴史があるそう。

名水を、飲んで、食べて、浴びる、名水尽くし体験。

さて、ここ大野は湧き水がおいしいことでも全国的に有名です。しかも、城下町内には湧水スポットが8つあり、自由に飲むことができます。七間通りにある大野市観光協会では空のペットボトルを購入できるので、それを片手に名水巡りへ。中でも外せないのが「御清水」。お殿様が使われるお水もここで汲んでいたとか。確かに、まろやかで味わい深い!
名水巡り https://www.ono-kankou.jp/first/meisui.php

御清水は名水百選にも選ばれた清水。地下水だから夏は冷たく冬は温かめ。

空のペットボトル「Me+asu(ミタス)」は100円。収益金は大野の地下水保全に使われます。https://www.ono-kankou.jp/tourism/detail.php?cd=624
水がおいしいと、お酒や食事がおいしいのはもはや定説。城下町の中に4軒ある造り酒屋はいずれも大野の名水を使用した銘酒揃い。大野の名水を使った醤油の醸造所もあり、重量級のお土産は増える一方です。
お腹が空いたら迷わず蕎麦屋さんへ。福井県は蕎麦が有名で、大野には大野在来種の蕎麦が栽培されています。一般的な蕎麦より香りが豊かで歯ごたえがあるのが特徴で、それを大野の名水で打って、名水で茹でて、名水で作ったツユでいただきます。「蕎麦は水が命」と言われるように、水もおいしさの大事な要素。日本各地で蕎麦は食べられるけど、大野の名水で調理したこのおいしい蕎麦は、大野でしか食べられません! ちなみに、福井県には他の町にもそこだけの在来種蕎麦があるので、食べ比べもおもしろいかもしれません。

大根おろしを乗せて食べる「おろしそば」が福井ならではの食べ方。独特の辛味が癖になる。
名水をたっぷりと楽しんだ仕上げには、名水銭湯はどうでしょう。お城のすぐそばにある「亀山湯」は1902年創業の昔ながらの銭湯(公衆浴場 ※温泉ではありません)。一度建て替えられたものの、レトロな雰囲気は健在です。ここの気泡風呂には大野の名水が使われているのが特徴で、あのおいしい水に浸かれるとはなんて贅沢! しかも昔ながらの薪で沸かしているせいか、体の芯まで温まると評判です。
亀山湯:https://www.ono-kankou.jp/tourism/detail.php?cd=399

まだまだ尽きない、福井県の楽しみ方

坐禅の聖地でのスピリチュアル体験と城下町の旅はいかがでしたでしょうか。実は福井県は伝統工芸が盛んな県です。漆器、和紙、刃物、焼き物などあり、ご当地ではそれらを体験できる工房もあります。坐禅でリフレッシュした後は創作活動!という楽しみ方もぜひぜひ試してみてください。

和紙の手すき体験の様子。

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