比叡山の聖なる道をトレッキング

比叡山の聖なる道をトレッキング

2020年12月01日

京都と滋賀県にまたがる比叡山は標高848m。半日程度でトレッキングが楽しめ、ケーブルカーや路線バスが麓と頂上をつないでいるので片道だけの体験も可能。しかも頂上には延暦寺があり、自然と共にスピリチュアルなひと時も過ごせます。

比叡山へのアクセスは京都の八瀬と滋賀の坂本の2つ。今回は坂本からケーブルカーで比叡山山頂まで登り、そこからトレッキングで下山します。いくつかあるルートの中から「無動寺谷ルート」を選択。比叡山で行われる修行「千日回峰行(※)」ルートの一部を通るという、比叡山らしいコースです。
なお、山道を歩くので動きやすい靴は必須です。平地より気温が低く冬は雪が積もっていることもあるので注意してください。
(※)千日回峰行:比叡山にある無動寺を午前2時に出発して決められた寺社を参拝しながら数十キロを歩く。これを7年かけて行う。途中、飲まず・食わず・眠らず・横にならず9日間お経をとなえ続ける荒行を挟む。直近では2017年に達成された。

石垣が美しい坂本からケーブルで一気に山頂へ

坂本の美しい石垣

スタートは京阪「坂本比叡山口」駅から。坂本は延暦寺の門前町として栄えた所で神社やお寺が多く、日本らしい風景に心が和みます。石垣を積む職人集団の本拠地でもあったということで、いたるところに積まれた美しい石垣も見逃さないで。この思わず写真に撮りたくなるような石垣の道を、ケーブルカーの乗り場まで約10分歩きます。

ケーブルカーの駅を出るとすぐに絶景が。

山頂に着くと眼下には素晴らしい琵琶湖ビュー。この高度まで山を登るのは体力が要りそうです。下山だけの挑戦にしてよかった。

延暦寺のスピリチュアルな「不滅の法灯」に感激

ケーブルカーの駅を出たら、まずは延暦寺の参拝へ(拝観料1000円、中・高生600円、小学生300円)。
延暦寺は比叡山の全域が境内で、全部見て回ろうと思うと1日は必要とのこと。今回は延暦寺の総本堂である「根本中堂」(2025年頃まで改修中、参拝は可能)とその周辺をめぐることに。根本中堂には、788年に延暦寺を創建した高僧・最澄が刻んだ仏像が安置されています。仏像は秘仏のため扉が閉まっていますが、その前には最澄が灯して以来燃え続けている「不滅の法灯」を見ることができます。静寂が支配するほの暗い堂内に1200年の時を経てきた火が灯り、圧倒的に神聖な空気感。なお、根本中堂の内部は撮影禁止です。ご注意ください。
周辺では、英語付きのおみくじを引いたり、鐘をついたりでき、食事をとることもできます。設備の整ったトイレもあるので、トレッキング前に済ませておきましょう。
([比叡山延暦寺(英語)] (https://www.hieizan.gr.jp/en/))

「不滅の法灯」が1200年にわたって灯り続ける根本中堂(2025年頃まで改修中、参拝は可能)。

万拝堂でおみくじに挑戦!1回100円。

山を下りる約90分のアドベンチャー

ケーブルカーの山頂「延暦寺駅」の脇に立つ鳥居をくぐれば、無動寺谷ルートの始まり。まずは舗装された一本道を下りていきます、余裕! しばらくすると整備された土の道に変わり、無動寺というお寺に差し掛かります。この無動寺が、千日回峰行のスタートとなるお寺。行者は午前2時にこのお寺を出発し数十キロの道のりを歩くのだそう。この寺からいよいよ未整備のトレッキング道に突入です。道には野生動物が延暦寺域に入ってこないように柵が設けられ、さながら結界の外に踏み出す気分。ゲートを越えれば、そこはうっそうと茂った木々で昼なお薄暗い大自然。人の気配は歩き踏み固められたこの細い道だけ。堆積した落葉や枯れ木をザクザク踏みしめ、時折木の根や小石に足をとられながら、ひたすら下りていきます。道は基本的に1本道で迷うことはないけど台風などで道が崩れたのか方向を見失うことも。でも大丈夫!ヘンゼルのような先人が何かの印を残してくれています。目を凝らして探してみて! 道しるべはあるけれど、たいてい日本語のみ。何を指しているのか分からないけど、人が歩ける道の証拠。このアドベンチャー感が楽しい! しばらく下り続けると視界が開けるポイントに到着。ずいぶん下った印象だけど、ここでやっと半分強くらい。脚に疲れがたまり始めているけど、木々はまばらになり麓が近くなっていることを実感し、元気も回復してきます。
ゴールには車止め用の鎖が張られ、もう一度、人里の結界に入れたみたいでホッとします。下りのトレッキングだけで約90分、ケーブルカー乗車や延暦寺参拝を含めると半日くらい。神聖な空気を感じ、飾らない自然も満喫できる、特にアクティブ派におすすめの半日観光です。

この鳥居が「無動寺ルート」のスタート地点。

大自然が感じられるトレッキング道。

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