和歌山の日本酒物語 巡礼の道

和歌山の日本酒物語 巡礼の道

2020.12.10

和歌山の日本酒物語_巡礼の道

 世界遺産には二つの巡礼道がある。1993年登録された「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」と2004年登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」である。ともに11世紀前後に歩く人が増えて、宗教的な「巡礼」が盛んになった。しかし、現代でも歩く人は宗教的な意図を持って、あるいは何かの願いがあって歩くのかと思うと、それだけではなく、「歩く」だけでもその過程が己れを鍛えてくれるということでもあった。そこまでして「歩く」ことには特別性があるのだろう。

 紀伊半島へ向う道は、大阪から熊野へと半島を時計の反対回りに向う道の他、四つの道があるが、中世からよく通われたのは和歌山を通って行く道だ。和歌山は都のあった京都などから比べると温暖で、蜜柑や梅など果物の産地としても有名で、太平洋に面しているので魚介類も豊富だ。神秘だけではない魅力があったのかもしれない。その魅力の入口に和歌山市、海南市がある。
 紀伊半島といえば、関西国際空港から近いという印象だ。特に、最近の和歌山観光需要は欧米豪からの根強い人気とアジアからの急増に支えられている。また、その地域的な柑橘類の香りに誘われない人はいないだろう。2020年には気候風土土壌などの生産地特性を活かした産地品に対する知的財産保護制度として『地理的表示(GI:Geographical Indication)』に和歌山梅酒が認定された。それほど和歌山には「梅」のイメージがあるといえる。

【シナジー酒蔵】中野BC(バイオケミカル クリエーション)
 地理的表示GIを獲得した「和歌山梅酒」は世界へむけたブランド作りでもある。いわば「梅酒」を世界へ羽ばたかせる道作りでもあろう。

その認定へ大いなる働きかけを行ってきたのが海南市の中野BCである。社名をBCとしたのは「生化学の創造」という、「梅・みかん・山椒・柿」など和歌山ならではの素材を活かして新しいものづくりを目指すという心意気だったという。それが日本酒だけでなく、果実酒、焼酎、リキュールなど総合的な酒類食品メーカーへの道ということでもあろう。

 和歌山は温暖な気候だけではなかった。進取の気風がそこにはある。酒蔵を訪ねると、もうひとつの目玉・10000㎡の日本庭園がある。

もともとは醤油メーカーであったことから水への拘りは相当なものがあり、3000㎡の泉水池を庭園に仕立てたという。その庭を眺める浮見堂や百二十畳敷の大広間も備えている。新しい道へ進むための場作りとして、見所満載だ。

中野BC株式会社
〒642-0034 和歌山県海南市藤白758-45
見学時間:10:00-16:00(最終入館15:00 ※お買い物のみの場合は15:30)
定休日:毎週月曜(月曜祝日の場合は翌日休業)、年末年始
外国語HP
交通アクセス
①関西空港駅からJR日根野駅下車、JR阪和線に乗り換え、JR和歌山駅下車、JRきのくに線に乗り換え、JR海南駅下車、徒歩約15分(所要時間目安:約90分)
②JR大阪駅からJR和歌山駅下車、JRきのくに線に乗り換え、海南駅下車、徒歩約15分 (所要時間目安:約135分)

関連記事

TOP