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海岸と美の恵み
山陰海岸

山陰海岸は、海と山、砂丘と森の狭間にあり、島根県と鳥取県の県境から日本海に沿って京都の北の方まで延びています。中国山地の北側は「山陰」と呼ばれています。兵庫県の日本海側に位置する城崎温泉では1300年前から水の恵みを受けてきました。川沿いに柳の並ぶ城崎温泉には7つの魅力的な温泉が点在しています。山陰地方をさらに京都府まで東に進むと「舟屋」で有名な漁村、伊根町があります。舟屋では、水に面した一階が舟と釣り道具の倉庫に利用されており、二階は居室の為に使われています。もう一つ沿岸にある景勝地は宮津湾の天橋立の松林です。2つの山をつなぐ天橋立は神話の舞台にもなっており、日本屈指の美しい名所です。ものづくりについて触れると、京都地方の丹後では、江戸時代から「丹後ちりめん」を生産してきました。この平織りの絹織物は、着物の生地の約60%に使用されていたといわれています。

姫路城と都への道
播磨

兵庫県の南西に位置するかつての播磨国は、瀬戸内海の海岸に沿って広がるエリアです。平安時代には交易の十字路として栄え、藩主の氏族が定住しました。姫路城は江戸時代以前に建設された天守が残る現存12天守の一つで、国内で最も重要な木造建築の傑作です。 国宝や重要文化財に指定されていて、UNESCOの世界遺産にも登録されています。 優美なシルエットと白い漆喰の美しさから「白鷺城」という別名でも親しまれています。また、この地域には現在も伝統的な技術を使い日本刀を鍛造する刀工がいます。姫路から書写山に登ると、山上には千年の歴史を持つ仏教寺院圓教寺があります。森の中に隠れるように存在しているお寺では瞑想体験が楽しめます。

播磨の東側エリア(神戸〜大阪間)の灘地区は、日本酒で有名です。灘五郷として知られる酒蔵があり、この地では約700年前に酒造りが始まったと言われています。酒の製造工程を見学できる酒博物館もたくさんあります。

水と生きる地
琵琶湖西岸~北陸

日本最大の湖である琵琶湖は人気の観光スポットです。 琵琶湖は深さは約100m、表面積は674km²に及びます。琵琶湖の南西端にある大津は、湖岸最大の町でありクルーズの起点にもなっています。琵琶湖地域は巡礼の地としても特筆すべき点があります。仏教文化が日本に伝来して間もない8世紀には、この地に仏教文化が広まっていました。琵琶湖を囲む山々の斜面には、多くの寺院や神社が建立されています。

福井の永平寺は曹洞宗の2つある大本山の1つです。開山は道元禅師で1244年に創建された名刹で、座禅体験もできます。また、温泉が点在し、自然との共生を目指す修験道にも適した地域です。

巡礼の旅、熊野古道
紀伊半島

紀伊半島は日本最大の半島です。入り江や小さな港のある海岸線の背後には、熊野地方が広がっています。海岸線が太平洋に向かって開かれているように、内陸部はスピリチュアルな世界へと訪れるものを誘います。熊野古道は千年以上の間、有名な巡礼地でした。「熊野三山」とも呼ばれ、3つの大聖域を繋いでいます。熊野古道にある仏教寺院や神社は、神仏習合の信仰を表しています。この宗教的な場所は神秘的な森の中に隠されており、それは紀伊山地の山腹にもあります。

石畳の道は、樹齢数百年の杉林や竹林の間を縫うようにして進みます。花の窟や熊野那智大社へと続く大門坂石段など、神秘的な雰囲気に包まれています。

また、伊勢から熊野へと松本峠や馬越峠などの山道を通っても行くことができます。訪れる人は熊野古道の小道を歩いた巡礼者の足跡を辿れるはずです。

神話から古代への道
伊勢~奈良

伊勢・奈良の地域は、日本の神秘主義の原点であるスピリチュアルな道へと導いてくれます。関西の中心に位置する奈良は、日本で最も古い仏教寺院や神社で世界的に有名です。8世紀の古都は、日本の政治と宗教の中心地でした。また、奈良には計り知れないほどの芸術的な豊かさがあり、今でも精神的な中心となっています。近くにある法隆寺の五重塔は、世界最古の木造建築物と言われています。

霊峰が連なる紀伊半島は、樹齢百年の杉の深い森の中で、2千年近くにわたって神々が崇められてきました。

伊勢神宮は、日本で最も神聖で崇拝されている場所のひとつです。伊勢・奈良の地域では、寺院を中心とした修験道の精神性や禁欲性に加えて、相撲や酒造りなど、古くからの伝統が培われています。海に目を向けると、伊勢エリアの海岸では、真珠や貝、魚や甲殻類を求めて海に潜る海女の文化に出会えます。

国生み神話と海の架け橋
淡路島~徳島

明石海峡大橋は、本州から淡路島へとつながる橋で、世界最長の吊り橋です。淡路島は大阪湾を隔てて瀬戸内海に面しており、日本の建国神話と結びついています。伊弉諾神宮には、日本を創った神であるイザナギとイザナミの夫婦が祀られています。7世初めには、淡路島の西側にある友ヶ島に仏僧が住んでいました。彼らはそこで修験道を実践しました。淡路島や四国の玄関口に位置する日本の原風景は、僧侶たちの瞑想を育みました。

淡路島から大鳴門橋を渡り四国に入ると、豊かな土壌と豊富な河川に恵まれた徳島の地は藍染めの生産が盛んなエリアです。藍染めで富を得た商人の中には、芸能、特に淡路人形という民芸品の制作を支援する商人がおり、淡路人形浄瑠璃は江戸時代に最盛期を迎えます。また、徳島では8月のお盆の時期に「阿波おどり」が行われています。大衆文化と宗教の接点で行われる祭事は、自然や神々と住民を結びつける絆の強さを示しています。

実りの里山
丹波

京都府と兵庫県にまたがる丹波エリアは、京都を中心とした貿易・交流の中心地でした。そこには、江戸時代の武家屋敷や城など、4世紀前の貴重な暮らしの痕跡が残っています。歴史、工芸品、民芸品の街である丹波は、環境保護のための理想的な地域でもあります。丹波には農業の伝統が根強く残っています。丹波の黒豆ときのこは全国的に有名です。丹波地方では、12世紀から丹波焼と呼ばれる陶磁器の伝統を発展させました。丹波陶磁器は日本で最も古いもののひとつです。 陶芸家の丹波焼の里では、山麓で約60の陶芸工房が活動を続けています。丹波篠山市は、デカンショ節の発祥の地でもあります。江戸時代よりお祭りの民謡としての評判は全国へと広まりました。村人たちは夜集まり、輪になって踊ります。

侍と工芸の地
琵琶湖東岸~三重

琵琶湖地域には、日本で最も保持状態の良い城のひとつ彦根城だけでなく、越前大野城や長浜城などの城が沢山あります。忍者やサムライの文化、そして武士道も受け継がれています。甲賀や伊賀の忍者の里では、博物館や伝統的な家屋、パフォーマンスを通じて、忍者の歴史を表しています。琵琶湖に向かって流れる川は、伝統的な工芸品の繁栄を促します。鎧兜、陶器、信楽焼……民俗芸能も盛んで、中でも長浜の曳山祭は圧巻です。巡行する山車は、歌舞伎の演目を演奏するたくさんの移動式舞台です。豊かな自然は瞑想にも適しています。

近江八幡市は琵琶湖の小さな「緑のヴェネツィア」と呼ばれています。この地は15世紀に八幡山の麓で商人の町として栄えました。近江八幡市にある運河は琵琶湖と同様に物資の輸送に使われていました。町は伝統的な木造建築の魅力を残しており、運河の間には寺院や神社が沢山あります。