吉野川が刻んだ深いＶ字渓谷を遊覧船から楽しむ

吉野川上流部の大歩危・小歩危は、長い年月をかけた大地の隆起と川の洗堀により深い渓谷となった先行谷（せんこうこく）と呼ばれるものです。間近に見える迫力ある美しい岩石やＶ字谷の地層の傾きなどの様子から日本列島の成り立ちが分かる、全国的にも貴重な場所として国指定の天然記念物、名勝にも指定されています。

増水時水が激しく流れる部分は巨大な岩の地層が現れ、その上部には４月ツツジが花をつけ、山肌に生える木々は春には燃えるような新緑が、秋には鮮やかな紅葉が見られ、まさに絶景です。また、岩は２億年前から１億年ほど前に海底深く造られた結晶片岩で、岩の中に礫を含んだ含礫片岩(徳島県指定天然記念物)という珍しい岩もあります。

この渓谷を川面から眺められる遊覧船が運行されています。
船は２５人乗りで、往復３０分ほどの手軽な遊覧です。船頭さんが案内する大歩危峡の成り立ちや見どころを聞きながら、船から渓谷の迫力ある姿や美しい吉野川の流れを楽しめます。大自然を感じるゆっくりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょう。